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東京慈恵医科大学同窓会

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2021年04月25日 同窓会女性医師キャリア支援活動(その25)

小児科学講座における女性医師の現状と展望

附属病院院長・特命教授 井田 博幸
小児科学講座講師・医局長 櫻井 謙

 小児科学講座は、同窓305名、現役医局員170名を有し、創立100周年を迎える国内でも長い歴史を持つ医局といえる。医局員のうち女性医師は64名(38%)である。卒後10年目以内に限ると女性医師は36名(48%)であり、女性医師の割合が高い診療科といえよう。短時間勤務制度(時短)を利用中の女性医師は、本院7名、葛飾2名、第三1名、関連病院2名の合計12名(女性医師の19%)であり、近年増加傾向である。飾医療センター、町田市民病院、富士市立中央病院では、女性医師が診療部長として活躍している。直近10年間で大学院に進学した女性医師は10名であった。一方、長期海外留学をした女性医師は2名(3%、配偶者の付添いを除く)と少なく、配偶者の転勤や育児支援困難による通常勤務困難のため退局を余儀なくされた者も存在する。
 令和2年度は初めて、男性医師が育児休暇を取得した。また、コロナ禍においては、時短勤務医師もオンラインを利用した研究会や教育の機会を得ることができ、新しい自己研鑽の方向性が示された。女性医師は自身の妊娠や出産のほか、介護に携わることも多い。これからの大学には、男女にかかわらず、時代のニーズに合わせて、ライフイベントの多様性を意識した働き方の整備や診療・研究・教育への支援が大切になると考える。

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