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東京慈恵医科大学同窓会

最新情報


2021年06月25日 同窓会女性医師キャリア支援活動(その26)

呼吸器内科における女性医師の現状
内科学講座 呼吸器内科担当教授 桑野和善
講師 医局長 皆川俊介

 令和3年4月現在、呼吸器内科現役医局員92名中(レジデント2年目以上)のうち女性医師は23名(25%)である。このうち育児中の女性医師は9名で、そのほとんどが時短勤務という形で診療業務に携わっている。呼吸器内科の臨床は、進行肺癌や感染症、重症呼吸不全、最近で言えばCOVID-19診療など非常に幅広い範囲を網羅しなければならないため通常の病棟業務は多忙である。このため特に病棟業務に関しては、育児とフルタイム勤務での両立はなかなか困難な状況と思われる。しかし、当科育児中の女性医師は非常にモチベーションが高く、厳しい状況下でも時短勤務のシステムを活用し、外来診療や兼科業務、救急診療、気管支鏡検査など、積極的に参加し大変活躍している。
 また当科では毎年桑野教授による個人面談が行われ、各個人の働き方や進路の希望を一人一人調査したうえで、なるべく希望に添うように進路を検討しているので、医師は希望のライフワークバランスにより様々な進路が選択できる。4月現在で、慈恵医大外への進路を選択されている女性医師は6名おり、その内訳は呼吸器専門病院(関連病院)で再研修1名、大学院(研究)2名、海外留学(バルセロナ)1名、企業への出向産業医2名である。このように臨床、研究の両面において女性医師が活躍できる環境を整えている。当科としては今後も女性医師だけではなく育児参加が必要な男性医師を含めた各医師の生活環境を考慮した上で、キャリアを守っていけるような環境作りを心がけていきたい。

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