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東京慈恵医科大学同窓会

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2021年10月25日 同窓会女性医師キャリア支援活動 (その28)

 令和3年9月現在、腫瘍・血液内科の医局員39名中で女性医師は11名(28%)である。その内訳は、フルタイム勤務7名、時短勤務(短時間勤務制度利用)2名、大学院1名、育休1名となっている。腫瘍・血液内科は、血液疾患、固形腫瘍、緩和診療の3つの専門班に分かれて診療しているが、カンファレンスは合同で行い情報共有と相談ができるようにしている。化学療法、造血幹細胞移植、さらに最近は遺伝子改変キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)療法も治療承認施設となり多忙であると言わざるを得ない。その中で、フルタイム勤務の女性医師は男性医師と同じように患者さんを受け持ち、当直を行い、学会発表などの学術的な活動にも積極的に取り組んでいる。子育てをしながら勤務できている女性医師は現在4名で、フルタイム勤務1名、時短勤務2名、大学院1名である。
 時短勤務の女性医師には外来診療や他科依頼の業務を主に担当してもらっている。そこで、時短勤務の現状についてインタビューを行った。2名とも血液内科を専門としているが、時短での早期復帰が良かった点に、医療の進歩についていけることと述べていた。前述のCAR-T細胞療法のような免疫細胞療法や、新規の薬物療法が次々と開発される血液内科診療において、実際に臨床現場に携われていることで変化についていくことができていると実感していた。時短の勤務時間帯に配慮した業務内容とし、子供の発熱など早退が必要な時のバックアップ体制を整えることにより、育児と仕事の両立、ワークライフバランスが保てていた。
 妊娠、育児中も女性医師が安心して仕事ができることが医局全体の発展につながる。意見交換と改善を重ねて、医局員全員が充実した仕事を行うことができる環境づくりに努めていきたい。

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