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東京慈恵医科大学同窓会

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2022年02月25日 定年退任にあたって
総合医科学研究センター・基盤研究施設 立花利公教授


 1983年都立駒込病院の裏にあった旧東京都臨床医学総合研究所の超微形態部門に配属され、組織や細胞を初めて電顕で観察し、細胞や組織の美しさに驚き、それから約40年間電子顕微鏡を中心とした仕事をすることになった。
 1990年故平野正先生(当時、慈恵医大・共同利用研究部の初代部長)の紹介で、解剖学講座第2で研究することになり、石川博先生のもとで、ヒト胎児下垂体前葉の微細形態について研究することなった。GH産生細胞を3つのタイプに分類し、さらに胎児の週齡と各タイプの出現頻度の関係を調べ、それを当時形態学の分野では結構有名であったAnatomical Recordに掲載されただけではなく、私が撮影した写真がその雑誌の表紙を飾ることになった。2013年に総合医科学研究センター・基盤研究施設に移り、形態系部門を纏めることとなった。基盤研究施設では形態系の試料作製法や、電顕画像の読み方などを教えてきたつもりである。少なくとも形態系の研究においては東京慈恵会医科大学のために少しはお役に立てたのではないかと自負している。現在は核酸関係の研究が主流となっており、形態を扱う研究は衰退していることは確かである。しかし形態学がなくなることはなく、また形態学を習得するにはかなりの時間を要します。できれば電顕画像を読める方に来ていただき、東京慈恵会医科大学の形態学での研究がさらに進むことを願っている。32年間の長きにわたり、東京慈恵会医科大学には本当にお世話になりました。ありがとうございました。

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