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東京慈恵医科大学同窓会

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2022年02月25日 定年退任にあたって
大学直属 和田高士教授


 1981年本学卒業後は、三期の流れでした。初期は内科系大学院第四内科学(吉村正蔵教授)で、超音波法による動脈硬化診断の研究(古平國泰助教授)と、第一病理学(石川榮世教授)への学内留学での動脈硬化病理の研究でした。これらの研究成果は、本学からまだ発表のなかったAmerican Heart A-ssociation機関誌であるStrokeなどの一流誌に掲載されました。その後、岡村哲夫教授の指導の下、内科学の研鑽を積みました。
 1993年、設立されたばかりの健康医学センター(現在、総合健診・予防医学センター)(池田義雄教授)に、自らの希望で転籍しました。中期は、健診・人間ドック診療を担い「検査値を診ずして受診者を診よ」を、また附属病院総合診療部では「病気を診ずして病人を診よ」を、実践してきました。そこでの業績は全国紙一面で数回報道され、また著書は海外翻訳にされたり、他大学入試問題にも引用されました。人間ドックは臓器別結果票とし、また受診当日にほぼすべての検査結果、検査画像を見せながら説明する仕組みを構築し、日本人間ドック学会の機能評価認定施設に認定されました。受診者は1日80名にも達成しました。2012年には、本学として初めて第53回日本人間ドック学会学術大会を主催しました。
 後期の大学院医学研究科健康科学では、健診データの標準化作業を担いました。健診・人間ドックのデータ登録形式は自由診療であるため統一性がありませんでした。健診データの標準化を目指して、健診関係十団体で構成する日本医学健康管理評価協議会が設立され、電子的標準様式である健診標準フォーマット作成に参画しました。生涯の健診・検診データが一元管理できる仕組みが、2021年末に完成しました。
 本学職員での人生は充実したものでした。深謝申し上げます。

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