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東京慈恵医科大学同窓会

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2022年04月25日 東京慈恵会医科大学附属4病院院長就任挨拶
附属病院院長 小島博己


 令和4年4月より附属病院長の重責を担うことになりました。安心で信頼される良質な医療の提供、医療安全管理の徹底、特定機能病院としての高度・先進医療の開発・実施、ならびに良医育成を基本理念とし、更なる飛躍のために皆様のご協力を得ながら病院の運営を行います。
 慈恵を取り巻く環境は厳しいものがあり、私共は解決すべき多くの課題と向き合っています。特に医療スタッフの労働環境の改善は喫緊の課題です。令和6年度から実施される“医師の働き方改革”を強力かつスピーディーに推し進めなければなりません。厳しい財務状況とマンパワー不足にある病院の実態を考えると、極めて難しい課題の解決をせまられていますが、病院の活性化のために教職員のモチベーションのアップは必要です。客観的な労働時間の把握、当直体制の見直し、タスクシフトの推進、女性医師の積極的な参画や多様性のある勤務時間制度の導入などにより教職員の負担軽減を図りたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症の終息が見えない中、井田前病院長が精力的に進めてきた“徹底した感染対策”を継続いたします。同時に教職員の精神的・肉体的疲労や家族のケアなどへの対応も必要です。
 このような医療環境の中、特定機能病院として、各科において高難度な手術や先進的な診療の増加が図れるように、病院はできるだけのバックアップを行います。一方で慈恵の特徴である一般急性期の診療も継続し、幅の広い信頼されるより良い医療を提供したいと思います。
 積極的な医療展開と同時に医療安全は最も優先すべき事項です。リスク管理の重要性を再認識し、継続的で徹底した安全管理のために十分な投資を行うことが必要です。過去の事例から一つの大きな事故により、取り返しのつかないダメージが生じる事を学びました。リスク管理を徹底し、守りと攻めのバランスを保ちながら持続可能な病院運営の体制を構築します。
 慈恵大学病院において、最も大切なものは「人」です。診療・教育・研究の分野で次世代を担う多様性のある、モチベーションの高い優れた人材の育成が、病院の発展に密接に結びつきます。同時に女性医師の参画は、様々な問題の解決に大きな役割を果たすと考えられ、休み明けの再教育制度の導入を具体化します。
 患者さんを守り、教職員の安全と生活を守り、事業が更に発展するよう中・長期的展望を視野に入れた病院運営・経営を目指します。ご協力をよろしくお願い申し上げます。

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