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東京慈恵医科大学同窓会

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2022年10月25日 大石雅之君(昭54)「日本医師会 赤ひげ大賞」受賞

 第10回「日本医師会 赤ひげ大賞」の大賞受賞者5名の中に大石雅之君の受賞が決定した。表彰式は令和4年5月12日、秋篠宮皇嗣同妃両殿下ご臨席の下、東京都内で開かれた。
 「赤ひげ大賞」は平成24年に創設され、「地域の医療現場で長年にわたり、健康を中心に地域住民の生活を支えている医師にスポットを当てて顕彰すること」を目的としている。対象者は「病を診るだけでなく、地域に根付き、その地域のかかりつけ医として、生命の誕生から看取りまで、さまざまな場面で住民の疾病予防や健康の保持増進に努めている医師」である。
 大石君の受賞は、へき地や離島で活躍する医師の受賞がこれまで多かった赤ひげ大賞に、都市部でギャンブルやアルコール依存の人をケアする医師が選ばれたことは、「赤ひげ先生」の定義を広めることができた点で大きな意義がある。
 大石君は平成3年に依存症を専門に扱うクリニックとして横浜市中区で開業し、それ以来アルコール依存症に限らず、さまざまな依存症患者を診察してきた。患者さんが身構えないように、白衣をまとわず、入院でなく外来治療に徹している。患者さんが依存症を克服しても、再発しないようにサポートし、きちんと回復するまで気を抜くことなしに限度のない愛を患者さんに注ぎ、患者さんに日常を取り戻させてあげたいという信念を貫いて患者さんと接している。
 大石君は学生時代はアイスホッケー部に所属し、卒業後麻酔科医だったが、患者さんと相対する中で、話す内容や挙措を分析し、病状を回復させる診療科に魅力を感じ、精神科医になったと述べている。
 いつもの大石君なら細い眼に、優しくほほ笑みながら穏やかに患者さんに話しかける様子がうかがわれ、患者さんとの信頼関係が成立することでしょう。このような賞をいただけるのは慈恵同窓の誇りであり、建学の精神「病気を診ずして 病人を診よ」を実践してきた賜物である。おめでとう。
(同窓会顧問 穎川一信)

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