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東京慈恵医科大学同窓会

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2022年12月25日 盒況鮟教(平19)
令和4年度日本周産期・新生児医学臨床研究Award受賞


 産婦人科学講座の盒況魴が、日本周産期・新生児医学会が選考する令和四年度の「日本周産期・新生児医学会臨床研究Award」に選考された。本Awardは、新たな多施設共同の臨床試験や疾患レジストリの企画・立ち上げを支援することによって、周産期新生児領域の臨床研究の活性化を図り、当該領域における患者・家族の予後やQOL向上に貢献することを目的としている。多数の応募の中から、今回、「無侵襲的胎児RHDジェノタイピング技術による胎児RhD血液型診断の大規模多施設共同実証研究と医師主導治験に向けた前方視的レジストリの構築」がAwardとして選考された。
 母体の血液型がRhD陰性の場合、胎児血液型不適合に対する抗体産生を抑制するために妊娠28週頃に母体に抗Dヒト免疫グロブリン投与を行うが、胎児血液型がRhD陰性の場合はこの予防投与は不要である。本Awardを利用し、盒況らが開発した、母体血中遊離核酸を用いた胎児RhD血液型検査法が(Takahashi K et al.Amplicon S-equencing-Based Noninvasive Fet-al Genotyping f-or RHD-Positive D Antigen-Neg-ative Alleles.Cli-nical Chemistry.2019 Oct ; 65(10)1307―1316)、多数の日本人RhD陰性妊婦を対象として、安定的かつ有効に実施可能か否か、また、RhD陰性妊婦のうち、実際に抗Dヒト免疫グロブリンの投与が必要もしくは不要な症例数などを調査し、将来的な実臨床への導入を目的とし、研究をさらに推進することになる。
 この全く新しい母体血を用いた無侵襲的なRhD血液型の出生前診断法が確立されれば、RhD陰性妊婦に対する、予防的な抗Dヒト免疫グロブリン投与の回避や、医療資源の適正な運用につながる。また、日本における RhD不適合妊娠の管理・治療方法を根本的に変える可能性がある。さらに本技術は、他の診断困難な胎児遺伝子診断にも応用が容易に可能であり、本研究で得られる知見はRhD血液型検査にとどまらない。
 今回の盒況の受賞は、胎児への無侵襲的な全く新しい出生前検査の手法を開発したことが評価されたAwardである。今後の益々の活躍とさらなる研究の発展を祈念している。
(産婦人科学講座教授 佐村 修記)

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