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東京慈恵医科大学同窓会

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2022年12月25日 先端医学推進拠点群の紹介(そのァ

先端医学推進拠点群の紹介 (そのァ法О堕蠧碓迷痢SI)医学応用研究センター
センター長代行 永森收志 (臨床検査医学講座准教授)

 安定同位体医学応用研究センター(SI医学応用研究センター)は、2011年から2015年度まで文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「安定同位体医学応用研究基盤拠点(SI医学応用研究基盤拠点)の形成」(研究代表者松藤千弥)を基盤として設置された。このプロジェクトでは、安定同位体(Stable Isotope)標識化合物を利用した医学応用研究推進を目的として、化合物合成研究、基礎医学研究、臨床応用研究といった複数の階層にわたる研究を系統的に進め、生体の非侵襲的機能評価法を開発・実用化する研究拠点を形成した。
 その後、SI医学応用研究基盤拠点での研究をさらに発展させるため、先端医学推進拠点群にSI医学応用研究センターが開設された。前センター長である松浦知和客員教授(前臨床検査医学講座担当教授)が中心となってAMED、科学研究費補助金などの外部研究費を獲得し、外科学、臨床検査医学、消化器肝臓内科講座で開発した安定同位体13C呼気試験を臨床での実用化を推進するなど、安定同位体化合物を用いた研究開発を主に進めてきた。2022年に永森がセンター長代行となり、安定同位体医学研究において質量分析計をはじめとする様々な分析機器を用いてきたことから、安定同位体医学研究に加えて、先端的な分析機器を用いて原子から生体レベルといった多階層にわたる大規模なデータを取得し、バイオインフォマティクスや機械学習も取り入れてSystematicにIntegrateさせる医学研究を実施している。
 本センターは、多くの先端医学推進拠点群と異なり、西新橋キャンパスF棟を主に使用している。本学で最も歴史的価値のある建物で、最先端の医学研究を進めていることに構成員一同が誇りを持っている。研究の進め方においても、質量分析計を用いたプロテオミクス、メタボロミクス、次世代シークエンサーによる一細胞遺伝子発現解析を統合したマルチオミクスやクライオ電子顕微鏡を用いたタンパク質分子の構造解析といった最先端技術を駆使する一方で、古典的な研究手法である膜タンパク質の精製・解析などを礎として最も大事にしている。具体的な研究内容は、先端的な手法を用いて生体を解析していることから多岐にわたっているが、特にビタミンやアミノ酸、糖などの栄養素に着目している。臨床検査医学講座(越智小枝教授)と連携して進めている島津製作所との共同研究による全自動化質量分析器を用いたビタミンD代謝物の大規模測定および種々の病態におけるカットオフ値についての解析研究では、興味深い結果が得られている。独マックスプランク研究所とは、アミノ酸膜輸送体のクライオ電子顕微鏡構造解析と緻密な生化学的解析により、シスチン尿症の病因の一端を明らかにした。また、プロテオミクス等の基盤技術開発、創薬・DDS研究なども進めている。こうしたプロジェクトは、東京の中心で研究している地の利を生かして、国内外の研究者らと積極的に共同研究で進めている。コロナ禍において対面での行事などは自粛しているが、SI医学研究のハブとしての役割を担うべく活動している。今後は、本センタ―の新たな研究を学内において広め、学内外におけるハブとなるために努力したい。

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