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東京慈恵医科大学同窓会

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2023年01月25日 第20回日本ヘルニア学会学術集会を開催
帝京大学医学部外科学講座教授 三澤健之君


 三澤健之君(準昭61)が、平成4年6月3、4日に、パシフィコ横浜において第20回日本ヘルニア学会学術集会を主催した。三澤君は昭和61年に帝京大学医学部を卒業後、直ちに本学外科研修医となり、その後は故櫻井健司教授が主宰された第一外科学教室に入局して本学大学院を卒業した。外科学講座の再編後、本学外科学講座准教授および柏病院外科診療部長としての職務を担っていたが、令和2年に母校である帝京大学より外科(肝胆膵外科)教授として招聘された。現在、肝胆膵手術のみならず、内視鏡手術、ロボット手術、ヘルニア手術など、多方面に大活躍中である。
 日本ヘルニア学会は一般外科学の基本となる鼠径部や腹壁ヘルニア学を扱う、外科医にとっては根源的な学会であり、本学では平成29年に私、吉田和彦が主催して以来、2人目の学会長となる。学会当日はコロナ禍第6波が収束して奇跡的に現地開催が可能となり、全国から大勢が参加して活気あふれる会となった。ヘルニアをキーワードに、臨床、教育、研究、国際交流、医療訴訟、さらには日本内視鏡外科学会とのジョイントシンポジウムなど、幅広いプログラムが組まれ、これまでの学術集会とは一線を画したスケールの大きな内容となった。國土典宏先生(国立国際医療研究センター理事長、東京大学名誉教授)や北川雄光先生(日本消化器外科学会理事長、慶應義塾大学常任理事)をはじめ錚々たる顔ぶれが登壇し、また特別講演では衆議院議員の石破茂氏や大学ラグビー選手権通算10勝を達成した名将、帝京大学の岩出雅之監督、ロボット手術で高名な米国のDavid Lourie氏が会場を沸かせた。あらためて三澤君が長年努力して築いてきた幅広い人脈に驚かされた次第である。本学からも三澤君の薫陶を受けた後輩達が多数発表し、中でも恒松雅君(平24)が学会賞を受賞したことは望外の喜びであった。三澤君による会長講演では学祖高木兼寛先生が日本における近代ヘルニア手術の先駆けであったことがThe Sei-I Kw-ai Medical Jou-rnalに記された往時の手術録と共に紹介された。さらに、三澤君がこれまでに世界各国の名だたるヘルニア外科医のもとを巡ってその技術を習得した圧巻の軌跡が語られた。
 長きにわたって慈恵で学んだ「患者第一」の教えを胸に、母校で教鞭を執る三澤君のさらなる活躍を祈念する次第である。
(特命教授、葛飾医療センター前病院長 吉田和彦記)

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