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東京慈恵医科大学同窓会

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2023年02月25日 吉村道博内科学講座循環器内科担当教授
日本心血管内分泌代謝学会最高褒賞
高峰譲吉賞を受賞


 令和4年10月12日、国立京都国際会館で開催された第26回日本心血管内分泌代謝学会学術総会において、内科学講座循環器内科の吉村道博講座担当教授(特昭61)が高峰譲吉賞を受賞された。高峰譲吉賞は、心血管内分泌代謝学の分野において卓越した業績を有する指導的研究者に授与される学会最高褒賞であり、厳正な審査の結果、吉村教授は見事今年度の受賞に至った。歴代受賞者はナトリウム利尿ペプチド(ANP・BNP・CNP)を同定した松尾壽之元宮崎医科大学長を筆頭に、同分野で世界最先端の研究を牽引してきた錚々たる方々が名を連ねており、今回の受賞は本学としても大変誇らしい快挙である。
 吉村教授は熊本大学大学院時代より、ナトリウム利尿ペプチド、アルドステロンなど副腎皮質ホルモン、虚血性心疾患(特に冠攣縮)の基礎的・臨床的研究に従事され、本学講座担当教授にご就任されてからも、心筋エネルギー代謝、尿酸代謝動態、甲状腺ホルモン代謝産物に関する基礎的研究に加え、当科独自で確立している心臓カテーテルデータベースを用いて、数理統計学を駆使した臨床研究を展開し、インパクトの高い多くの論文を発表されてきた。“内分泌臓器”としての心臓を中心に、全身の臓器間ネットワークを包括的にとらえ、心血管疾患の病態生理の真髄に迫る研究を通じ、多くの医局員・大学院生を指導された功績も評価され、今回の受賞に至っている。英語で行われた受賞講演では、数多くの当科の研究成果が紹介され、慈恵に着任されてからの業績も絶賛されたことは特筆に値する。
 こうした多大な功績の根底には、「臨床医学の原点は一人ひとりの患者さんにある」という信念があり、多くの症例を通じて培われた、研ぎ澄まされた洞察力をもって目の前の患者さんを“診る”という姿勢は、まさにPhysician Scient-istのあるべき姿を示すものである。この度の受賞をお祝いするとともに、吉村教授のご指導のもと、医局員一同、より一層精進する所存である。
(循環器内科医局長 名越智古記)

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