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東京慈恵医科大学同窓会

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2023年03月25日 岡崎史子君(平3)
新潟大学医学部医学教育学分野担当主任教授に就任


 岡崎君は、令和5年1月1日付で新潟大学医学部医学教育学分野担当主任教授に就任された。彼女と私は共に平成3年に本学を卒業後、聖路加国際病院で外科系レジデントとして初期研修を受けた。実は卒業後の進路に迷っていた私は、彼女の、「聖路加で熱いうちに打たれたい」という気持ちに惹かれ同じ道を目指したのである。彼女は幼い頃からのヴィオリストであり、繊細なタッチを有していた。実際、上級医も認めるほど手術のセンスがあり、同期として焦りを感じることもあった。研修終了後、私は外科に進んだが、彼女はトップナイフを目指し脳神経外科に入局、様々な手技を習得し、1年後今度は内科医への転向を志願した。破天荒な一面を垣間見たが、医療に対し一貫した情熱家であった。
 平成6年に旧青戸病院内科に入局、その後大学の組織改革に伴い循環器内科の創設時の医局員となった。循環器内科で学生教育を担当する中で、彼女の教育に対する真摯な態度、また学内での教育業務が評価され、学長の推薦で平成23年に教育センターに移籍、本学の臨床実習改革、学生・研修医教育などに尽力した。臨床実習改革の際に彼女が主導した本学の臨床実習後OSCE、e-ポートフォリオの構築が学外で評価され、共用試験実施評価機構や国立病院長会議に招聘され、全国版OSCEの構築や学生版EPOCの作成に尽力してきた。認定医学教育専門家の資格を取得後、岐阜大学大学院で医療者教育学修士を取得し、現在岐阜大学の客員教授も務めている。日本医学教育学会の代議員なども務め、学内外で活躍していた彼女だが、この度、このような数々の功績、人柄、研究成果などが評価されて、新潟大学の主任教授就任となった。本学から他大学に医学教育部門で主任教授を輩出したのは初めてのことであり、しかも国立大学の教授就任というのは大変名誉なことである。今後の日本の医学教育発展のために、岡崎君の益々の活躍を期待したい。また、寒い新潟の地でも、熱い彼女の気持ちが周囲に届くことを信じて疑わない。
OSCE:Objective St-ructured Clinical Examination
EPOC:Evaluationsystem of POstgra-duate Clinical Tra-ining
(平3・諏訪勝仁記)

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