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東京慈恵医科大学同窓会

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2023年04月25日 原口高伸君(医3年)
第68回日本宇宙航空環境医学会大会 最優秀学生賞受賞


 令和4年11月24日・25日渋谷区文化総合センター大和田にて第68回日本宇宙航空環境医学会大会が行われ、本学医学部医学科3年生の原口高伸君が口頭発表した演題「マウス肝臓組織の脂肪滴は宇宙環境滞在によって増加する」が、最優秀学生賞に選ばれた。本学と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の共同研究契約に基づき実施された国際宇宙ステーション(ISS)滞在マウスの肝臓を対象とした研究成果の報告が評価され、今回の受賞となったことは誠に喜ばしいことである。
 肝臓に脂肪滴が蓄積する脂肪肝は、非アルコール性脂肪性肝疾患を経て肝硬変を誘発するリスクを有するが、宇宙環境においては肝臓脂肪滴が増加することが知られている。原口君は医学研究コースに在籍して本学宇宙航空医学研究室に通い、ISSにおいて微小重力と人工重力の二つの条件下で飼育したマウスの肝臓を電顕レベルで解析し、微小重力下では脂肪肝の発症リスクがより高まる可能性を示した。本研究は、宇宙環境での脂肪肝および非アルコール性脂肪性肝疾患・肝硬変の発症リスクを減少させる対策として人工重力装置の利用が有効であることを示したものであり、今後の人類の宇宙進出の医学的基盤を形成する重要な礎石の一つである。
 日本宇宙航空環境医学会は、昭和30年に寺田正中第四代学長・理事長が設立され、慈恵医大との所縁は大変深い。JAXAが宇宙飛行士選抜を行い、NASAが月回帰プロジェクト・アルテミス計画を急速に進行する昨今、この歴史ある学会における受賞は、来たる宇宙時代に慈恵が羽ばたく大きな一歩である。原口君、心からおめでとう。
(宇宙航空医学研究室講師・暮地本宙己記)

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