東京慈恵医科大学同窓会
最新情報2023年05月25日 森 啓一郎君(準平23)日本臨床腫瘍学会学術集会において二年連続の奨励賞受賞、並びに日本癌治療学会学術集会においてYoung Oncologist Awardを受賞
泌尿器科学講座助教の森啓一郎君が、令和4年2月17日〜19日、令和5年3月16日〜18日に開催された第19回、第20回日本臨床腫瘍学会学術集会において2年連続で奨励賞を受賞、並びに令和4年10月20日〜22日に開催された第60回日本癌治療学会学術集会においてYoung Oncologi-st Awardを受賞した。
臨床腫瘍学会・癌治療学会は泌尿器腫瘍に留まらない全科横断的な悪性腫瘍診断と治療の中心となる学会であり、今回の一連の受賞は非常に価値のあるものといえる。臨床腫瘍学会における2年連続での奨励賞受賞は過去に前例がなくまさに快挙といえるだろう。今回の受賞は膀胱癌に対する膀胱全摘術において、血管新生に関連するバイオマーカーパネルの予後的価値を解析した一連の研究が評価されたものである。膀胱全摘術は泌尿器科手術において最も侵襲の大きな手術でありながら、術前のリスク分類は不十分であるのが現状である。その中で今回の研究では術前に採取した血液から血管新生に関連する様々なバイオマーカーを解析しており、その中でも特にVCAM1の有用性が強く示唆された。今回の研究成果の一部は、Annals of Surgi-cal Oncology誌、E-uropean Urology Focus誌に掲載された。
森君は、平成31年4月よりオーストリアのウィーン医科大学泌尿器科教室に留学して泌尿器悪性腫瘍の研究に励み、2年半の留学期間を終えて帰国した。令和3年10月からは東京慈恵会医科大学附属病院泌尿器科にて勤務を再開し、帰国後も精力的に泌尿器悪性腫瘍の幅広い研究活動を継続している。今回のこれらの受賞を機に、更なる研究成果の発展と実臨床への応用、並びに森君の更なる飛躍を大いに期待したい。
(泌尿器科学講座医局長 平17・都筑俊介記)