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東京慈恵医科大学同窓会

最新情報


2023年06月25日 第31回日本医学会総会を終えて

副会頭 学校法人慈恵大学 理事長 栗原 敏
記録委員長 東京慈恵会医科大学 学長 松藤千弥

 第31回日本医学会総会が4月21日から23日の間、東京国際フォーラムを中心に開催された。日本医学会総会は、141の分科会が加盟している日本医学会が、日本医師会と協力して主催する学術集会で、1902年(明治35年)に第1回が開催されて以来、4年毎に開催されてきた。第31回日本医学会総会は“ビッグデータが拓く未来の医学と医療―豊かな人生100年時代を求めて―”をメインテーマとして開催された。第31回総会の会頭は春日雅人・朝日生命成人病研究所所長・国立国際医療研究センター・名誉理事長で、副会頭は宮園浩平(東京大学)、北川昌伸(東京医科歯科大学)、天谷雅行(慶應義塾大学)、栗原敏(学校法人慈恵大学)、新井一(順天堂大学)、尾治夫(東京都医師会)の各氏であった。
 開会式には、天皇・皇后両陛下のご臨席に加えて、岸田文雄総理大臣、文部科学副大臣、厚生労働副大臣が出席された。同時に、学術展示と博覧会も開催され、盛会のうちに終了した。参加登録者は約4万人で、博覧会にはオンライン参加者を含めて、約50万人が来場した。本学は、登録委員を務めた大木隆生教授の尽力によって、事前登録した教職員が全国の医学部・医科大学中第3位の745名を数えた。また、医学科、看護学科の教育の一環として全学生が参加登録をした上で、会場や本学に設置されたサテライト会場において講演を視聴した。
 本総会の準備を始めた1年後に、新型コロナウイルス感染症が拡大し、開催が危ぶまれたが、感染が終息に向かう中で開催することができ幸いであった。この総会では、本学は副会頭を務め、松藤千弥学長が記録委員長として、総会の記録を残すとともに、“医の変革”(春日雅人編)を岩波新書として出版した。また、本総会のテーマでもあるビッグデータと医療について、一般の方や子供むけに学習漫画(ビッグデータと医療)(非売品)を出版して好評を得た。新型コロナウイルス感染症の影響が残る中、ほとんどの講演が会場参加とWEB配信を組み合わせたハイブリッド形式で行われ、会期後もオンデマンド配信されている。本総会によって、参加者、特に若い世代に未来の医学・医療のイメージが浮かんだのであれば、本総会が大きな役割を果たしたと言えるであろう。
 第1回日本医学会総会は、明治23年、第1回帝国議会・内国勧業博覧会を機に、学祖・高木兼寛先生ら13名が発起人となって、学術上の知識の交換を目的に全国に会員を募って東京で開催された。第2回は開催されたが、第3回は開催されなかった。背景には、このような学術集会では研究をやっているものが発表すべきで、開業医の出席はふさわしくないという、森林太郎を中心とする帝国大学教授の意見があったと言われている。その後、明治35年に第1回日本聯合医学会が開催され、後に日本医学会と改称され、現在に至るまで、四年ごとに開催されている。現在の日本医学会総会は、この第1回日本聯合医学会に起算されている。発足当時は大学の医学者中心であった医学会総会も、時代が変わり今では開業の先生方も加わり情報共有して切磋琢磨している。
 本学はこれまで、金杉英五郎・初代学長が第五回総会の副会頭を、第20回総会の会頭を樋口一成・第6代学長・元理事長が、第22回総会の副会頭を阿部正和・第八代学長・元理事長が務めたという経緯がある。
 栗原副会頭は、宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究所の津田雄一教授の特別講演「はやぶさ2が拓いた新しい科学の地平」の座長を務め、閉会式で閉会の辞を述べたことを付記する。次回は、4年後、大阪大学澤芳樹名誉教授が会頭として開催予定である。ご協力いただいた同窓、教職員、学生各位に感謝申し上げる。

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