東京慈恵医科大学同窓会
最新情報2023年09月25日 耳鼻咽喉科 栗原 渉君(平21)
日耳鼻研究奨励賞を受賞
令和5年5月18日、栗原渉君(平21)が、第124回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会総会で日耳鼻研究奨励賞を受賞した。この賞は、耳鼻咽喉頭頸部外科の医学・医療の一層の発展を図ることを目的とし、更なる研究の発展が期待できる若手医師に授与されるものである。耳鼻咽喉科医として受賞することは、その功績が広く認知された証明であり、非常に名誉あることと言える。
栗原君の研究テーマは「ヒトiPS細胞由来内耳オルガノイド(人工臓器)を用いた新規核酸医薬の開発」で、その先進的なアプローチがこの度の受賞につながった。彼の研究は未だ治療法のない感音難聴の治療法開発における新たな可能性を提示している。このテーマは、本学の再生医学研究部岡野ジェイムス洋尚教授のもとでの大学院時代から継続しているもので、基礎研究室と臨床講座が連携して取り組む、我が大学ならではの研究スタイルが生んだ成果と言える。本学が育ててきた若手医師が、全国的に認知されるという名誉は、我々教室員にとっても大変喜ばしいことであり、同時に今後の教育と研究への大きな励みとなる。
栗原君の後にも、同じテーマを引き継ぎつつ、臨床に真摯に取り組む中で、新たな視点を加えて研究を深める後輩たちが続々と育っている。そのような後輩たちの姿勢から、耳鼻咽喉科頭頸部外科の領域でさらなる進展が期待できると確信し、これらの若き研究者を全力でサポートしていく所存である。
(耳鼻咽喉科学講座 小島博己記)